テクノーラ社-社内報
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■ INTERVIEW : 015  

中谷誠一
メカニカルデザイン
インタビュー 04/04/10

○アニメ『プラネテス』に関わることになったキッカケと、仕事の分担を教えて下さい。

きっかけはそれまでガオガイガーFINALをやっていたサンライズ制作デスクの石田君から誘われました。原作を読ませてもらって、谷口監督でいくというのでとても興味がわきました。大河内さんや千羽さんなどとても気になる方々が参加されるというのでお手伝いさせてもらうことにしました。
メカデザインに関してはトイボックスのアニメナイズと小倉さん、高倉さんのフォローしきれない部分をお手伝いするということでしたが、各話作監の作業が始まると手が回らなくなり申し訳なく思ってます。結局、プラネテスの膨大な設定のうち数パーセントくらいしかできなかったのは少し残念です。

○『プラネテス』のメカニックデザインで、他の作品との世界観の違いなど気を付けたことは何でしょうか?

基本的に今回はメカが主役ではなく、大道具小道具であるということでしょうか。前の設問でも答えてるようにあまり多くの設定は描いてないのですが、現実味を優先させるように心がけました。骨組みから考えていくというか、なんとか厚みを持たせたいとか中にいろいろ詰まっているんだとか考えてやってみました。本来空気も何もない宇宙空間をよりリアルに描こうという作品コンセプトもありますし、いろいろ知っているようで知らなかったことがたくさんあり制約も厳しかったです。みんなでNASDA(現JAXA)に見学にいったのもいい経験になりました。やはり実物が見れるのと見れないのとでは大きな違いが有 ります。たとえそのままを描くのではなくてもその機能を有した70年後のものとして描くのですから何でもいい訳ではないので。僕らが思うよりずっとSF チックなものだったり逆にこんなものでいいのってものもありましたね。

○今作品では作画監督もされていますが印象的な話数などはありますか?

3話、12話、18話、23話と担当しましたが12話と23話は印象深かったです。
12話はフィーのむちゃむちゃ恐い顔、23話はハチマキのキレた顔など極端な表情づけができたのは楽しかったです。テレビシリーズの作画監督をローテーションでこなすのは久しぶりだったので大変でした。そこへ来てこの作品は情報量が多くレイアウトの密度も濃かったので骨が折れました。ただ僕の至らぬ部分を総作監の千羽さんを始めたくさんの人に助けられて担当話数までやりきれたので今はほっとしています。ありがとうございました。(といいつつ今(注:インタビュー時)まだ最終回の作業中ですが…)

○メカニックデザインや作画監督という仕事のやりがい、また今後そういったことをやりたい人に向けて必要なものは何でしょうか?

やりがいとしてはたくさんの人に見てもらえることです。その中で楽しんで笑って怒って泣いてもらえたら嬉しいです。(テンプレートな答えですみません)
必要なものとしては作画監督、メカデザインに限らず、まずはものを見ること知ることだと思います。見たことがないものは描けないし、知らないものはそれがどう動くかも分からない。見て、理解して初めて創作できるものだと考えます。さらにメカデザインでは機械を直接触ったり分解したりとか。車でもバイクでも家電製品でもなんでも。どんな金属であるか調べたり、プラスチックの硬さの違いを感じたりとか。実物は無理でもプラモデルを組み立てたりするのもいいですね。ザクを1度組み立てると空で描けちゃったりします。トイボックスもプラモデルが有ったらもっと楽に描けたかも。未だに設定見ないと描けないんです。左右のパーツをよく間違えちゃって描き直してました。

ありがとうございました。

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