テクノーラ社-社内報
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■ INTERVIEW : 005  

河口佳高
サンライズプロデューサー

インタビュー第1回 03/09/10

★原作の『プラネテス』を読んだ最初の印象はどうでしたか?

モーニングに掲載されたある回を、たまたま読んだことが印象に残ってます。
おぼえているのは、月面の高速道路をハマー似のクルマが走っている場面です。今にして思えば、「地球外少女」の一場面だったわけです。でも、そのときの印象は“月の高速道路ってイイな〜。このクルマはハマーっぽくてカッコいいな〜”という程度でした。私はクルマ好きなので…。
その後、単行本で読みましたが、“舞台となる宇宙と未来社会を随分考えて作ってあるな。デブリを題材に選んでいるところが新しい世代の作家さんだな”という印象で、アニメになんか絶対しないほうがいいと思いました。それはなぜかというと、この作品は作者の個性が強烈にでた作品で、アニメーション側スタッフの個性が半端なものじゃ太刀打ちできないだろうと感じたからです。簡単にいえば、幸村先生以外の方が描いた「プラネテス」に魅力があるか?ということなんです。
 その後、私に制作現場のプロデューサーをやらないかという打診が来ましたが、上記の理由で気が重くて…。しかし、企画段階で谷口悟朗監督の書いた構想メモや、脚本の大河内氏が書いた試作版シナリオを読んで“これなら太刀打ちできるかも”と思い私も覚悟を決めました。

★ アニメ版はどのような作品にしたいですか?やりたいことや、見ている人に伝えたいことは何ですか?

 原作「プラネテス」の魅力をTV版「プラネテス」でも十分に感じられる番組にしたい。そしてなおかつ、番組独自の魅力も加えていきたいと考えています。
 じつは、TV版第1話は原作にないエピソードです。ふつう、原作があるアニメの1話は原作通りに作りますよね。でも、これは谷口監督以下スタッフがまじめに「プラネテス」に取り組んだすえ、TV版としての第1話を新たに描き起こす必要を感じたからなのです。
さらに、この第1話は「プラネテス」の魅力を、幸村先生ではない我々番組スタッフがいかに独自に作っていくことができるか、というチャレンジの始まりでもあります。
評価はもちろん視聴者の判断にゆだねられますが、自信はあります!

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