テクノーラ社-社内報
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■ INTERVIEW : 002  

谷口悟朗
「プラネテス」監督

インタビュー第2回 03/07/25

★アニメ版はどのような作品にしたいですか?やりたいことや、見ている人に伝えたいことは何ですか?
 
  先ほども言いましたが、TVの26本となると、幾つか整理しないといけない所が出てきてしまうんですよね。話も足していかないと、すぐに終わってしまう。それに加えて視聴者の数。TVという媒体が大きいため、原作を知らない人達にも見てもらいたい、楽しんでもらいたいと考えると、作品の入り口、つまり理解度をやさしくしてあげる必要が出てきてしまうんです。媚びる、という事ではありませんよ。
 星雲賞を取った作品に対して、あえて挑戦的に言わせてもらうと『SFかぁ、難しそうだなぁ』と観客に思わせるとダメなんですよ。原作ファンを無視するわけではなく『あぁ、こういった作品もあるんだ、原作も読んでみようかな』と思わせたい。原作の幸村さんがとても柔軟な方で、自由にやらせて頂いていますから、こちらとしてもプラネテスの世界を広げる手助けをしていきたいな、と考えています。
 そのため?というほど大げさではありませんが、TV作品として、"会社員物"という切り口を持ってきました。デブリ回収業を巨大企業の一部門という形にしています。必然的に、会社内やハチマキの友人など新キャラも出てきます。タナベも早く出してあげたかったので、一話からいます。新入社員ですね。宇宙空間というマクロな視点に対して、バカらしいほど日常の視点を重ね合わせる事によって、人間の小ささや、苦悩、あがき、未来や宇宙への夢、といったものを良い意味で肯定していける作品になれば良いなと考えています。原作ファンにも、また、知らない方にもアニメ版として楽しんでもらえるよう、スタッフ一同、ただいま奮闘中です。
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