テクノーラ社-社内報
>> TECHNORA TOPへ
>> アニメ制作課 TOPへ
■ PHASE-15 アフター・レコーディング(アフレコ)


 

 

「…というわけで、今日はアフレコです」
「ムホホムホ(で、現在、『プラネテス』のアフレコ会場である、APUスタジオに来ているわけだが)」
「うわ〜。新しくてきれいなスタジオだね〜」
「ムホホ(文章だとよくわからんがな〜)」
「ここで『プラネテス』のアフレコとダビングをするのよ」
「あっ、あそこにいらっしゃるのが音響監督さんですね」
「そう。音響監督がアニメの聴覚にかかわる工程の統括をするのよ。アフレコは音響監督の指揮のもと、前半と後半に分けて、テスト、本番前テスト(本テス)、本番、リテイクと録音していくのよ」
「監督や演出の意図も音響監督を通じて伝えられるんですね」
「ムホ、ムホホ(おっ、始まったな。マイクの前のモニターに編集した映像を流しながら芝居するのか)」
「次々と役者さんがマイクの前で入れ替わりながら録音するんですね」
「そうよ。本番では、足音や台本をめくる音もたててはいけないの」
「モモホ(台本をめくる音もダメか)」
「だから、台本は音をたてにくい紙で作ってあるわ」
「モ〜ン。モホホ(ふ〜ん。ハチマキ役の田中氏は熱い芝居をするな〜)」
「アフレコの後も飲み屋で熱いわね」
「あっ、私の役の雪野さんだ。うまいな〜。…すご〜い。泣くところってホントに泣きそうになって芝居するんだ〜。」
「芝居もすごいけど、本人のキャラクターもすごくおもしろいわね」
「ムホムホホ(『プラネテス』には結構ベテランの役者さんが多いんだな〜)」
「そうね。これだけの役者さんに参加していただけるのはありがたいわね」
「…ムホ、ムホムホ?(…あれ、終わりかと思ったら、何か別の台本読み始めたぞ?)」
「この『プラネテス』の谷口監督は通常の台詞とは別に、人物達の奥に流れている声や通信(いわゆるガヤ台詞)にも台本を用意して、録音しているのよ。そのことをここでは“宿題台詞”と言っているわ」
「うわ〜。管制台詞とか難しそうですね〜」
「これで場所や場面によって、例えば緊張した場面なのか、それともレストランにいるのかによって、違う音声が聞こえることになるわ。そうすることで、空気感に厚みを出そうとしているの。逆に何も聞こえないというのも、ひとつの表現なのよ」
「あっ、全部終わったみたいですよ。役者さんたち飲みに行くみたい」
「ムホンムホ(これでキャラクターの声は完成か。オレは焼酎が好き)」
「いいえ。このあとダビングをして最終的に完成するわ。だからアフレコはダビングに向けての声の素材集めとも言えるわね」
「ムホホムホ(オレの声は誰がやるんだろうな〜)」
「1回だけ出て来るよね。誰なんですか?クレアさん」
「ん〜〜。ひ・み・つ」
「ムホ〜(それ、キャラが違いますよ)」
>> PHASE-16 「ダビング」へ