テクノーラ社-社内報
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■ PHASE-17 ビデオ編集


 

 

「いよいよ最後の工程だね」
「ムホンムホ?(出来上がった映像と音素材があるな。これで完成じゃないのか?)」
「残念ながら、この状態じゃ局には納品できないわ。これからビデオ編集室で、素材を完成させるのよ」
「何をするんですか?」
「まず、上がった本編や予告の映像と音声をシンクロさせてひとつにまとめるの。その上で、CMがある時にはCMの分の間を空けたりするわ」
「ムホホムホオ?(CMはどうするんだ?)」
「CMはテレビ局の方で入れるのよ。そういった一連の編集作業の他に、テロップを入れる作業があるわ。オープニングのテロップは大体ずっと同じだけど、エンドテロップは毎話数変わるから、毎回文字を作って入れていくの」
「これでテロップも入って、絵も音も放送用にきっちり用意できたわけですね」
「そうね。これで納品用のメディアに落として完成ということになるけど、ビデオ編集室では映像に様々な画像処理を加えることができるのよ」
「撮影の段階で処理を入れているんですよね」
「ええ。だから全く処理を入れないで、そのまま完成させるところもあるわ。ただ『プラネテス』では、結構ビデオ編集で処理を入れているのよ。それに局によっては、ある一定基準以上に人体に刺激を与える映像は流せないところもあるから、もしその基準に触れてしまう場合は、ビデオ編集時に画像処理を加えて修正することもあるわね」
「モホムホ(最終チェックもするわけか)」
「画像処理では、光のハレーションを入れたり、回想シーンのぼかしを入れたり、画面にザラつきを入れたりといろいろできるわ。そういう処理を入れて、最終的にフィニッシュというわけね。あとは納品用のメディアに落として完成。そうしたら、プロデューサーがテレビ局に納品するの。…で、ここにあるのが、その完成品です」
「ムホオオ(おおおっ。これで我々制作進行の仕事が終了なわけか〜)」
「感動ですね〜。…ところで、プロデューサーって誰でしたっけ?」
「みんなよくがんばってくれた」
「ムホン!ムホ!(ああっ、ドルフ事業部長!ド頭以来の登場だよ!)」
「(すっかり忘れてた)」
「いや、いたぞ。結構いろんなところに。編集、アフレコ、ダビング、ビデオ編集といろいろな」
「プロデューサーは総責任者だから、区切りのところでチェックしてるのよ」
「ムホゥムホ(むぅ、総責任者かぁ。一人でまとめてるとなると、なんか独立でもしちまいそうだなあ)」
「あはは。笑えないね。ノーラくん。いろんな意味で」
「では、ドルフ事業部長、納品よろしくお願いします」
「これで終わりですね」
「納品した後、CMを入れる場合は入れて、系列局に渡って、実際に放送されるまでは安心はできないが」
「ムホホ(急に特別番組が入ったりしたら放送できないのか)」
「大丈夫だよ。時間がズレて放送しても、すぐ再放送をしてくれる素晴しいテレビ局もあるんだから」
「ムホンムホン(視聴者の声は重要なんだね)」
「うん。最後にいいこと言ったね」
「ムホ、ムホン(だろ?いいやつなんだよオレは)」
「馬鹿なこと言ってないで、次の話数の準備をしなさい。明日、作打ち組んであるから」
「ムホン!ムホー!(ええ〜!明日って、オレここ3ヶ月休み無かったんだけど!)」
「休みは自分で確保するしかないわね」
「ムホホムホ(クレアさんの人情は薄っぺらいな〜)」
「私のセリフ盗らないでくれるかしら」
「(やっぱり気に入ってるんだ〜、あれ)大丈夫だよノーラくん。愛があれば何でもできるよ」
「ムホー…ムホ…ムホー(愛と仕事の間に境目なんて…無い…んですよね。うん。無いんだ、ハハハ…アハハ…)」
>> アニメ制作の流れ、わかりましたか?タナベ&ノーラくんのコンビもご苦労様でした。